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【668project】建物の傷み状況をチェック
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    足場が組まれたので上の方まで上って痛みの状況をチェックしてきました。
    この建物はほぼ総2階建てで外壁が切り立っているので、上の方の状況は遠くから観察するだけにとどまっていました。今回足場が組まれたことで詳細にチェックができます。
    それではレッツクライム!

    090711_4_keta
    まずは1階と2階の間の部分です。
    実はこの建物。もともとは平屋建ての建物で、2階は後に増築されたものということが分かっています。その様子が分かるのがこの写真。
    ちょうどし写真の中央、左右に延びているのが「桁(けた)」と言われる材です。
    本来1階と2階の間には桁は1本なのですが、この建物は既存の桁の上にあたらしい桁を乗せて増築をしている所謂「お神楽増築」という手法を取っています。
    既存の材となる下段の桁には平屋の痕跡を残す垂木がけの刻みが1尺5寸(455mm)ピッチで入っているのが分かるでしょうか。
    さらにこの写真から分かるのは1階部分は竹で下地をつくり土壁をつくる「小舞土壁(こまいつちかべ)」となっているのに対し、2階部分は貫の上にラスボードを貼って漆喰を塗る合理化が行われています。伝統構法が新建材に駆逐されていく過程をよく現している写真です。

    090711_22_keta2
    で、お神楽増築というのは簡単に言えば1階の上に2階をポンと置いただけの構造なので、建物としての一体性が弱いわけです。そこで今回は耐震補強も同時に行うのですが、2枚目の写真はそれがよく分かります。
    建物の周りを新しく強く作った外壁で囲ってしまい、新しい外壁と既存の構造をボルトでしっかりと繋いでしまおうという方針。いま既存の桁の横にあたらしい桁が並んでいます。このあとボルトで固定します。


    090711_9_kiriyoke
    次に2階北側のキリヨケ(小さな庇)です。これは酷い…。
    錆びてるなぁとは思っていたのですがこれは…。
    ただ、予算の関係上これを新しく作り直す訳にはいかないので、先端側1/3くらいの鉄板を新しく葺き直すことにしました。

    090711_14_kiriyoke2
    南側のキリヨケは大工さんが苦労していろいろやってくれてますが、この納まりは不採用となりました。残念、おもしろいのに。



    090711_17_kawara
    瓦はセメント平瓦でした。この種類の瓦は耐用年数が低く、数十年経つと薄くなったり割れたりして雨漏りの原因になることもありますが、ここの瓦はかなり状態がよく、いまのところ雨漏りの染みひとつ無い状況です。棟瓦が一枚割れているのと、塗装が完全に剥げているのが現状。もともとは緑色の瓦だったようで塗料が一部残っています。


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    | ウラノイエノケンチクカ | 伝統構法 | 21:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | -









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